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ブログ開始日 2021年12月31日

当ブログの考察は当事者の体験に基づく内容です。ご了承の上でお読みください。

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言壁の棺 — 発達障害考察ブログ

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発達障害の水際対策⑥—改善の基準を決める



 発達障害の改善を試みている時に困るのが「なにを以って改善とするか」だ。開頭して脳の状態をチェックできるわけでもないし、特別な検査機器を使って脳波などを計測できるわけでもない。それらができたとしても、見るべきところはどこなのか。

 どれだけ改善できたと思えても、周りから見れば改善できていないのかもしれない。

 そこで基準にできる要素が「症状の発生頻度」である。

 

   ◇ ◇

 

 例えばケアレスミスに関して言えば、この症状の当事者なら大体どれくらいの頻度でミスをしてしまうかを、なんとなく覚えているはずである。私の場合、症状に振り回されていた頃は「ほぼ毎日なにかしら最低1回はミスをする。多い時は2〜3回」といった感じである。

 

   ◇ ◇

 

 1として扱うミスの水準は人によるだろうが、皿を割るなど元に戻らないこと、謝罪や反省が必要なこと、管理者から注意を受けること、誰かが予定外の時間を使って対応する必要があるなど、周りの人が普段しでかさないことならミスとして計上してもいいだろう。

 

   ◇ ◇

 

 発生頻度基準はコミュニケーションの改善具合を考える時にも使える。

 私の場合、学生の時なら誰と話していても、いつかは怒らせて嫌われてしまった。ほぼ毎日、関係の悪い誰かが身近にいる状態だった。ほとぼりが冷めた頃に別の誰かと揉めてしまう、というわけだ。中2の時にいじめ体験を通して言動を自重するようになってからは頻度は減ったが、「誰とも揉めていない期間」が年に何度かつくれるようになったというだけだった。高校中退後に家業へ就職した後も、平日の夜は他所でアルバイトをすることになったが、そのバイト先でも同僚と対人トラブルを起こす始末。

 これが、オンラインゲームの世界でコミュニケーション訓練をするようになってから少しずつ変わっていった。最初の頃こそトラブルが絶えなかったが、このままではリアルと同じ顛末になってしまうと思った私は、ある時から「一ヶ月誰ともトラブルを起こさない」という目標を意識してプレイすることにした。もしトラブルを起こしたら「今の人格はダメ」ということにして、チャットログを読み返すなどして喋り方や考え方を見直した。これをひたすら繰り返していく内に、対人トラブルを起こさない期間が二ヶ月、三ヶ月、と伸びていった。

 

   ◇ ◇

 

 頻度基準は仕事に関しても使える。これは改善具合ではなくその職場、業務との相性を考える時だ。今の私は工事現場や駐車場で誘導をする警備士だが、平常時なら業務のことで困ることは時にない、というのが今の普通の感覚である。判断に迷う場合は同僚や他の現場の人に聞いて判断するし、それがなければ基本的には単独でも仕事を進めることができる。

 それでも年に何度かそれができなくなる時がある。業務を実行する上で、その内容や名称についてわからない部分がある時は補足説明を求めたり聞き返すわけだが、その頻度があまりに多くなってしまう時は、次回から現場を変えてもらうように会社にお願いしている。自分の能力ややる気よりも、頻度を基準にしているということ。

 そういう現場は、自分の能力に見合う現場で経験してから加わればいい。仕事は修行ではなく労働なのだから、そもそもできないことをやっていることがおかしいのだ。

 

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 私が過去に勤めていたデバッグの仕事でも頻度は基準になっていた。そのバグが同じ操作をすれば絶対に発生するのか、それとも頻度があるのか、それは何回中何回発生するのか。バグが修正された後も同じで、症状の発生頻度を基準に修正の成否を判断した。

 

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 発達障害は怪我や病気と違い、その患部や病巣を点で指すことができない。そこで診断の根拠として注目されることが「症状発生の頻度」である。DMS(精神疾患の診断・統計マニュアル)でも診断基準として頻度が採用されている。

 このように改善の根拠として頻度を基準にすることは全くおかしくなく、それは一人でもできることなのだ。