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ブログ開始日 2021年12月31日

当ブログの考察は当事者の体験に基づく内容です。ご了承の上でお読みください。

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言壁の棺 — 発達障害考察ブログ

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当事者の本当の境遇⑤—社会人期(10代後半〜20代)



社会人期(10代後半〜20代)

 高校卒業後の進路は進学か就職かで分かれるが、ここでは「就職」を選んだ設定で話を進める。

 卒業した高校は不良ばかりの荒れた底辺高校。留年こそしなかったが、学力は下の下。高校在学中にこれといった実績や取得した資格はなく、大学は学力不足と進学に関わる費用の問題で選択しなかった。なお両親には発達障害の疑いがあり、不仲で、精神疾患については全く理解がない人、とする。

 

   ◇ ◇

 

 近所のコンビニエンスストアでアルバイトをしながら就職活動を行う日々。アピールするところはなにもなく、童顔なせいか「なんの努力もしてこなかった子供」という風に見られていることがなんとなくわかる。

 いじめに負けず、不登校にもならず、寿命を削る思いで中学と高校を卒業しても、それが社会では何の評価にも値しないことを痛感する。

 

   ◇ ◇

 

 アルバイト先ではケアレスミスが耐えず、店長や同僚から怒られる日々。流れ続ける店内放送、接客に会計。脳の衝動性が鎮まる間を決して与えない。レジ打ち、品出し、発注、清掃、接客、毎日どこかでミスをしてしまう。

 学生時代に人生をかけて研究した「普通の人の振り」も、ボロが積み重なって本性が暴かれる。失言や奇異な言動が人を遠ざけ得る。人間関係がうまくいくのは変わった奴だと可愛がられる最初だけで、2〜3ヶ月が過ぎる頃にはぐちゃぐちゃになる。どこでアルバイトをしても半年後には居づらくなって自主退職。

 

   ◇ ◇

 

 帰宅しても安らぐ居場所はない。親との会話は就職活動と将来の話。自分の病識のうち開けても聞く耳をもってくれない。

 夫婦仲は良いとは言えず、月に何度も罵り合いの夫婦喧嘩。二人とも掃除ができず、行動もがさつ。いつ帰っても家の中は泥棒に入られた後のような状態。気分のパターンが喜怒哀楽のいずれかしかなく、一日中喧しい。

 

   ◇ ◇

 

 肉体労働は厳しそう、工場の作業は難しそう。という理由で選んだ先は、学歴・資格不問、簡単なパソコン操作が条件だったオフィス業務の契約社員。就職と同時に一人暮らしを始め、実家暮らしを卒業して人生の再スタート。

 電話応対、取引先周り、クレーム対応、資料作成、経理処理などなど、なんでもやらされる上、大半の仕事は引き継ぎがなく、前任者が何もできないまますぐに辞めたことがわかる。

 業務は基本丸投げで、わからないことを聞いても誰も教えてくれないし、聞きにいくと怒られる。

 何をやるにも言葉で業務を進めるオフィス業務は致命的に相性が悪く、もともと自覚していた腹痛や湿疹、不眠症などの心身の調子が悪化する。

 給与は週5日フルタイム、残業代込みの月給14万。控除などで手取りが12万円を切ることを当事者は知らない。

 

   ◇ ◇

 

 会社員は業務が習得できず、1年後持たずに自主退職。アルバイトに逆戻り。生活費が足らないので掛け持ちで夜勤もする。

 夜勤の後は早朝に帰宅して昼過ぎには寝る生活。掃除をする心の余裕がなくなり、アパートの部屋は荒れ放題。食事はコンビニやスーパーの弁当が中心となり、野菜不足が続く。不規則な生活サイクルが生活空間と心身のメンテナンスを放棄させる。

 

   ◇ ◇

 

 短い間でも会社員経験があるとアルバイトの立場では頼られやすく、社員登用の声もかかりやすい。その誘いにのってオフィス業務に戻るも、またポンコツに逆戻り。なぜか電話応対ができなくなり、なぜかケアレスミスが頻発する。仕事中は業務の話についていけなくなり、なぜか帰宅途中に理解が追いつく。

 それらの原因がまさか「言葉の使用量」にあると気付ける者はまずいない。わけがわからないまま精神科の予約を入れる。初診は三ヶ月待ちである。

 

   ◇ ◇

 

 社員登用に承諾したと同時に掛け持ちの夜勤は辞め、月々の収入は激減。ギリギリの精神状態でその日無事に帰宅することだけを目標に日々を過ごす。そのうち精神科での診察が唯一の希望になる。

 待ちに待った精神科の初診では、発達障害の疑いを主張しても積極的な診察はしてくれず、その日のうちに統合失調症うつ病の診断を下され、処方された向精神薬を飲む新しい人生の始まり。

 

   ◇ ◇

 

 何の実績も資格も得られないまま、アルバイトと会社員を行ったり来たり。肉体労働と工場作業員はどうしても選べない。「楽しそう。続けられそう。自分に向いてそう」という動機で選んだ先は販促ポップだらけのバラエティショップ。その喧しい環境がまた衝動性を増強させる。

 当事者の20代はこれで終わる。

 

社会人期(10代後半〜20代)のポイント

・肉体労働や工場作業は「自分には合わなさそう」という思い込みがあると、最も相性が悪いオフィス業務を選んでしまう。

・学歴の低さや無資格など実績の無さがひっかかり、就職活動は「学歴不問・資格不問」の雇用条件の中から探すことになる。(週5日フル・月給は残業込みで手取り11万円〜13万円の世界)

・一人暮らしをすると食事や掃除など、心身や環境のメンテナンスの質が維持できず、ボロボロになる。