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ブログ開始日 2021年12月31日

当ブログの考察は当事者の体験に基づく内容です。ご了承の上でお読みください。

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言壁の棺 — 発達障害考察ブログ

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プログラミング備忘録8:Googleドキュメントから制作する【縦書き&横書き】の「Kindle本&ペーパーバック本」の作り方(Sigil&Calibre&Vivliostyleを使用)



 当ブログでは発達障害の当事者セルフ出版本を応援する方針のもと、GoogleドキュメントからSigilをベースにKindle本を制作する方法」と、epubからペーパーバック用データを作成する方法」を解説します。

 本記事の解説方針は、必要最低限の操作で出来上がるところまでやることですが、文章メインで挿絵がある程度の本なら、本記事のやり方でも十分なものが制作できます。

 

使用するツール各種

 

補足

  • Sigilは「epub3.0」モードで使用(設定→全般の設定→基本 でバージョン3を選ぶ)

 

 

 


Kindle本の作り方(.epub縦読み


1.原稿と素材の用意

 

1−1.原稿
  1. Googleドキュメントにて原稿を執筆する。
  2. 書き終わったら「.txt」でダウンロードする。

 

解説用

 

補足

  • 見出し等の設定は後に使用する「Sigil」で行うので不要。本記事では「見出し→本文→空白行→見出し→本文→空白行……」という体裁で書いたテスト用小説を用いて解説します。
  • Googleドキュメント上で目次をつけて「.docx」形式でKDPにアップロードすると、見た目は問題ないですが電子書籍側の目次機能と紐付けされない為、エラー本になってしまいます。(出版はできるが後に尼から修正するように言われる)
  • ぶっちゃけ「.txt」ならなんでもいいです。

 

1−2.素材
  1. Canvaにて表紙画像と必要なら挿絵を作成する。
  2. 作り終えたら、表紙と挿絵をダウンロードする。

 

解説用

 

補足

  • 最初に「カスタムサイズ」を選んでサイズを指定してください。表紙のサイズは「幅1600:縦2560」が推奨サイズです。本編内で使用する挿絵のサイズは丸ごと1ページ使う場合や枚数が少ない場合は「幅1600:縦2560」で問題ありません。※書籍のデータサイズは配信コストと関わってくる為、画像の推奨サイズについてはKDPの公式情報を参照の上、必ず自分でぐぐって調べてください。枚数が多いなどデータ容量が気になる場合は適切なサイズを調べることをオススメします。

 

 

参考リンク

 


2.Sigilで開き、初期設定をする

 

2−1.メタデータ
  1. ダウンロードした原稿(.txt)を「Sigil」で開く。
  2. 「ツール → メタデータエディター」を開き、「タイトル・著者名・言語」を入力する。

 

 

参考リンク

 

2−2.縦読み形式に変換にする
  1. ブックブラウザー内「Styles」を右クリック→「空のスタイルシートを追加」を選択して、生成された「Style0001.css」内に「html { -epub-writing-mode: vertical-rl; }」と書き加える。(文章を縦読みにする指示)
  2. ブックブラウザー内下部「content.opf」を開き、内部記述上の<spine>を「<spine page-progression-direction="rtl" >に書き換える。(ページを右送りにする指示)
  3. ブックブラウザー内「Text」を右クリック→「スタイルシートにリンク」を洗濯して、(1.)で生成した「Style0001.css」にチェックを入れる。(1.と2.が反映されて縦読み本になる)

 

 

参考リンク

 

2−3.<title>に入力する
  1. ブックブラウザー内「Section0001.xhtml」の「<title></title>」を「<title>始祖の鬼狩り</title>」と書き換える。

 

2−4.挿絵を読み込む
  1. 「ファイル→追加→既存のファイル」と操作して挿絵を読み込む。(ブックブラウザー内(Images)に追加される)

 


3.Sigilで本文を整形する

 整形にはHTMLとCSSの知識が必要です。ここで解説するやり方は「見出し1」のみ、<p>タグで段落を分け、挿絵をつけ、行間を指定し、ページを分割するだけという、とても簡素なやり方です。

 

3−1.自動でつけられた行頭1字下げを無くす
  1. 「検索ウィンドウ(ctrl+F)」+「すべてのHTMLファイル」で「<p> 」と「<p> 」を「<p>」(のみ)に置き換える。(後にCSSで指示します)

 

3−2.空白行をなくす
  1. 「検索ウィンドウ(ctrl+F)」+「すべてのHTMLファイル」で「<p></p> 」を「」(何もなし)に置き換える。(空白行もCSSで指示します)

 

3−3.見出しと本文を分ける
  1. 「見出し」になる部分を「<h1></h1>」タグで囲み、本文になる部分を段落ごとに「<p></p>」で囲む。(本解説では「奥付」のみ「<h2></h2>」を指定)

 

 下記のように整形されていればいいです。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<!DOCTYPE html>

<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops">
<head><title>始祖の鬼狩り</title>
  <link href="../Styles/Style0001.css" type="text/css" rel="stylesheet"/>
</head>
<body>

<h1>起を自在に操る存在</h1>
<p>戦士は剣を手に取り、胸に一つの石を抱く・・・ 久遠劫、むかし、ある村の者ですら滅多に近寄らない所におじいさん…いや、かつての”鋼の英雄”とかつて乙女だった者がスパイとして入り込んでいやがった。</p>

(略)

<p>かつて乙女だった者はとてもおいしい日本一のきび団子を物語を紡ぎ、桃太郎はそれ=ザ・ウィズダムギアを惑星(ホシ)の袋に入れると混沌の大地に闇をもたらさんがため鬼ケ島に向けて旅立ちました。</p>

 

<h1>”真なる刃”を追い求める承</h1>
<p>旅の途中、桃太郎はあさましき獣に会い、 「破邪の果実より生まれ出でし聖戦士さん、パロンの奥底に何……だと……が入っているでェ……。」 (略)

(略)

<p>真実という名の幻想の本当に終わり</p>

 

<h2>奥付</h2>
<p>題名:始祖の鬼狩り</p>
<p>著者:ななしのごんべ</p>
</body>
</html>

 

3−4.ページを分割し、途中で挿絵を挿入する

 見出しの前でページ分割をする。途中で挿絵のみのページを生成する。分割操作は分割したいところを一度クリックして、「編集→カーソル位置で分割」とクリックする。

 

  1. 「Section0001.xhtml」内にて、「<h1>”真なる刃”を追い求める承</h1>」の1行上の空白行部分を一度クリックし、分割操作をする。(「Section0002.xhtml」が生成される)
    「Section0002.xhtml」内にて、「<h1>転・ヴァイゼハイム・ブローヴァ</h1>」の1行上の空白行部分を一度クリックし、分割操作をする。(「Section0003.xhtml」が生成される)
  2. 「Section0003.xhtml」内にて、「<body>」と「<h1>転・ヴァイゼハイム・ブローヴァ</h1>」の間に「<img alt="test_sashie" src="../Images/test_sashie.jpg"/>」と入力する。(または「挿入→ファイルを挿入」から挿絵のファイルを指定する)
  3. 挿入した挿絵のコード「<img alt="test_sashie" src="../Images/test_sashie.jpg"/>」と「<h1>転・ヴァイゼハイム・ブローヴァ</h1>」の間をクリックし、また分割する。(「Section0003.xhtml」は挿絵だけのページになり、「Section0004.xhtml」が生成される)
  4. 「Section0004.xhtml」内にて、「<h1>結・ザ・ファントム</h1>」1行上の空白行部分を一度クリックし、分割操作をする。(「Section0005.xhtml」が生成される)
  5. 「Section0005xhtml」内にて、「<h1>あとがき</h1>」1行上の空白行部分を一度クリックし、分割操作をする。(「Section0006.xhtml」が生成される)
  6. 「Section0006xhtml」内にて、「<h1>奥付</h1>」1行上の空白行部分を一度クリックし、分割操作をする。(「Section0007.xhtml」が生成される)

 

 上記操作により、下記構成になっているはずである。

  • Section0001.xhtml 起を自在に操る存在
  • Section0002.xhtml ”真なる刃”を追い求める承
  • Section0003.xhtml 転・ヴァイゼハイム・ブローヴァ
  • Section0004.xhtml (挿絵のみ)
  • Section0005.xhtml 結・ザ・ファントム
  • Section0006.xhtml あとがき
  • Section0007.xhtml 奥付

 

3−5.CSSを入力する

 本文で用いている<p>と<img>に対して指定します。(本解説においては、<h1>と<h2>に対しては何もしません)

 

  1. 「Style0001.css」内に「p{text-indent:1em;margin-right:1em;}」を書き加える。
  2. 「Style0002.css」を作成し、「.imgcenter{display:block;margin-left:auto;margin-right:auto;}」と「.imgsize{width:100%;height:100%;}」を書き加える。

 

下記のようになっていればOKです。

Style0001.css

 

html {
    -epub-writing-mode:vertical-rl;
}

 

p {
    text-indent: 1em;
    margin-right: 1em;
}

Style0002.css

 

.imgcenter {
    display: block;
    margin-left: auto;
    margin-right: auto;
}

 

.imgsize {
    width: 100%;
    height: 100%;
}

 

 

補足

  • html {内 文章を縦書きに指定しています。
  • p {内 行頭に対して1字下げと、右側行に対して1行分空ける指示をしています。
  • .imgcenter {内 要素を中央に表示しろ、という指示。(たぶん)
  • ・.imgsize {内 要素のサイズ。

 

3−6.画像にCSSを反映させる
  1. 挿絵だけのページとした「Section0003.xhtml」内の<body></body>内の記述を下記のように書き換える。
  2. スタイルシートのリンク設定から「Style0001.xhtml」を外し、「Style0002.xhtml」にチェックをいれる。(これでStyle0002.cssCSSが反省されました。Style0001.xhtmlのチェックを外すのは縦読み指示の影響から外す為です)

 

Section0003.xhtml(<body></body>内)

 

<body>
<p class="imgcenter">
<img class="imgsize" alt="test_sashie" src="../Images/test_sashie.jpg"/>
</p>
</body>

 

 

3−7.目次を生成する
  1. 「ツール→目次→目次を生成する→OK」と操作する。
  2. 「nav.xhtmlスタイルシートのリンク設定に「Style0001.xhtml」を加える。(sgc-nav.cssのチェックはそのままで良い)
  3. ブックブラウザー内「nav.xhtml」を開き、目次が生成されており、縦読みになっていることを確認する。
  4. 「nav.xhtml」をドラッグしてブックブラウザー内「Text」の一番上に移動させる。

 


4.epubを完成させる

  1. 「ファイル→名前をつけて保存」と操作し、epubファイルとして保存する。
  2. 「Kindle Previewer」epubファイルを入れ、確認する。

 

 

 ここまでで、Kindle本としてのepubファイルが完成しました。

 

 下記は本記事の解説で作成したepubと同じデータのダウンロードリンクです。比較や確認用に使ってください。

 

テスト用小説epubデータ完成版

 

 あとはKDPの管理画面から原稿データーと表紙をアップロードすればOKです。

 

 Kindleの原稿データーの作り方は無数にあり、本記事で解説した内容はその極一部で、しかも極めて簡素な作り方です。それでも、

 

  • 文章は縦読み
  • 見出しはCSSでいじらずにディフォルトのまま
  • 段落ごとに1行空いてればよい
  • 挿絵は1ページ丸ごと使うのみでいい

 

 だけでいいなら、本記事のやり方だけで十分です。

 

 ここで解説した作り方を基準に、CSSなどをご自身で調べて肉付けしていくと良いでしょう。箇条書きやルビの振り方、半角英数字の向きを変えるやり方など、本記事では解説していないCSSがまだまだたくさんありますから。

 

 


Kindleペーパーバック本の作り方(.pdf/縦書き&横書き)


予備知識

 ペーパーバックの作り方もいろいろありますが、最初に大事なことをお話しします。2022年4月現在、Amazon.co.jpのKPDにおけるペーパーバック制作サービスは、「.pdf」形式のみ原稿ファイルとして使用できます。

 

 本解説を参考にしてKindle本を制作した場合は、「Googleドキュメント」からエクスポートしたいずれかの形式のファイルや、Sigilで制作した「.epub」を元にして、なんとか「.pdf」に変換する方法を探ることになるでしょう。

 

 PDF→EPUBの変換サービスはたくさんありますが、多くの場合、レイアウトが崩れて売り物にできないものができあがります。

 それでも横書きEPUBのPDF化はそう難しくないです。例えば「calibre - E-book management」ならSigilで生成した.epubを入れて、「本の変換」からPDFで出力すればいい感じにできます。毎ページにページ番号をつけたり、ページ番号付きの目次も自動生成できちゃいます。

 

 問題は縦書きEPUBのPDF化です。これが大変難しい。地獄です。沼です。例えば上で紹介した「caliber」で同じ操作をすると、ページの端でテキストや画像が見切れたりします。これでもまだマシな方で、「epub PDF 変換」といった方法でGoogle検索して出てくる方法はどれもレイアウトが崩れたものしか出来上がりません。「Adobe Digital Editions」を経由してPDFにする方法も、縦向きにした半角英数字が横向きのままになるので、自分で読む分に十分ですが、商品にするとなると良い方法とは言えません。

 

参考リンク

 

 本記事では「Vivliostyle Viewer」という、ブラウザ上でHTML+CSSを整形表示できるアプリケーションを利用して、「できるだけepubのレイアウト通りにページ番号付きで縦書きPDFを生成する方法」を紹介します。その上で、KDPペーパーバック用の原稿ファイルを揃えるところまで解説します。

 

 尚、これから解説するやり方は「横書きepub」でも使える方法です。

 

.縦書きepubをPDF化する

 

 本記事では上記サイトを参考にします。まずこちらのサイトを見ながら、「ページ番号付きのPDF」を生成するところまで進めてください。説明がMac基準だったりローカルサーバーを立てるなど、パソコンに不慣れな方には少々難易度がありますが、操作の1つ1つは難しくありません。

 

補足

  • Windowsユーザー向けにWin環境でのやり方を本章の下部に追記しました。(本章1−6以降の解説です)

 

 本記事では参考サイトが見れない等のケースに備えて、操作手順のみ残しておきます。

 なお、解説用として「テスト用小説epubデータ完成版(shisonoonigari.epub)」を使用しますので、まずはこれでやってみてください。

 

1−1.ローカルサーバーを立てる

 まずローカルサーバー(8000)を立てる。「ターミナル」上で「python -m SimpleHTTPServer 8000」のコマンドを打ち込む。

 

参考リンク

 

1−2.VivliostyleViewerをローカルで起動

 本記事でも「vivliostyle-js-2019.1.105.zip」を用いて、同じ手順で解説します。ツールは公式サイトなどから落としてきてください。

 

  1. 「vivliostyle_test」というフォルダを作成する。
  2. 「vivliostyle-js-2019.1.105.zip」を解凍する。
  3. 解凍した「vivliostyle-js-2019.1.105」を「vivliostyle_test」に入れる。
  4. ブラウザのアドレスバーに「http://localhost:8000/Desktop/vivliostyle_test/vivliostyle-js-2019.1.105/viewer/vivliostyle-viewer.html」と入力してアクセスする。
  5. Vivliostyle Viewer の画面が表示されればOK

 

1−3.epubを解凍する

 以下、Macのやり方です。

 

  1. 「vivliostyle_test」フォルダに「testepubfolder」というフォルダを作る。
  2. 「testepubfolder」フォルダの中に「test」というフォルダを作る。
  3. ターミナルを起動し、「unzip 」と入力する。
  4. 解凍したいepubshisonoonigari.epub)ファイルをターミナルにドラッグインドロップする。
  5. 半角スペースの後に「-d 」と入力する。
  6. 「2.」の「test」フォルダをドラッグインドロップし、実行する。
  7. 「test」フォルダの中に「META-INF」フォルダ、「OEBPS」フォルダ、「mimetype」ファイルが生成される。
  8. 「OEBPS」フォルダの中に「content.opf」があることを確認する。

 

参考リンク

 

1−4.VivliostyleViewerから「content.opf」にアクセスする
  1. ブラウザのアドレスバーに「http://localhost:8000/Desktop/vivliostyle_test/vivliostyle-js-2019.1.105/viewer/vivliostyle-viewer.html#b=http://localhost:8000/Desktop/vivliostyle_test/testepubfolder/test/OEBPS/content.opf」と入力する。
  2. 小説がブラウザ上で表示される。(まだページ番号がついていない)
  3. 右上のアイコンをクリックし、設定パネルを表示させる。
  4. 「Render All Pages」にチェックを入れる。
  5. 「Images」の「Set image max-size to fit page」と「Keep aspect ratioにチェックを入れる。
  6. 「Override Document Style Sheets」にチェックを入れ、「CSS Details」に下記CSSコードを書き加える。
  7. 「Apply」をクリックする。
  8. ページをめくり、ページ下部にページ番号が表示されていること、テキストや画像が見切れたりはみ出していないことを確認する。

 

CSS Details

 

@page :left {
  margin-right: 10mm;
  @bottom-left {
    content: counter(page);
    margin-left: 5pt;
    margin-bottom: 6mm;
    writing-mode: horizontal-tb;
    font-weight: normal;
    font-family: serif-ja, serif;
  }
}
@page :right {
  margin-left: 10mm;
  @bottom-right {
    content: counter(page);
    margin-right: 5pt;
    margin-bottom: 6mm;
    writing-mode: horizontal-tb;
    font-weight: normal;
    font-family: serif-ja, serif;
  }
}
@page :first {
  @bottom-left {
    content: '';
  }
  @top-left {
    content: '';
  }
}

 

補足

 解説サイトにはありませんが、「Paze Size」は「A4」にしておいた方がいいかと思いました。

 

1−5.PDFとして保存する
  1. 右クリック→印刷→「PDFとして保存」と操作する。

 

 ここまでの操作で出来上がったPDFが下記ファイルです。

 

VivliostyleViewerでページ番号をつけた状態のテスト用縦書き小説

 

 しかし、ここで気になることがありますね?

 そう、まだこの時点では「目次ページにページ番号がついていない」のです。次章ではページ番号付き目次の作り方を解説します。

 

1−6.Windows環境でのやり方

 Windows環境でも流れは同じですが、Windowsは上のやり方で登場したPythonが搭載されていないので、ローカルサーバーのを立てるところだけ手順が異なります。といっても複雑な工程は不要です。Windows版のPythonをインストールすることでほぼ同様の操作で進めることができます。

 

1.WindowsPythonをインストールする

 Pythonの公式サイトから落としてインストールするだけです。解説サイトはたくさんあります。下記はその1つです。私は本記事解説用に最新の「python-3.10.4-amd64.exe」を使用しました。

 

2.コマンドプロンプトからローカルサーバー(8000)を立てる

 これも解説サイトはたくさんあります。私は下記サイトを参考にしました。

 

3.VivliostyleViewerをローカルで起動する

 ここが終われば後の手順は上のMacのやり方(手順1-3以降)と同じなんですが、上の解説と違うのは最新版のVivliostyleViewerを使うことです。

 私の場合だと、本記事の作成時点で最新だった「v2.14.6」を使用することにより、「content.opf」を開いてPDFを作るところまでできました。

 

 というのも、上の解説と同じ「vivliostyle-js-2019.1.105」でやると、「content.opf」を開く段階(手順1−4)で下記のエラーメッセージが表示されてできなかったのです。

 

Received an empty response for EPUB OPF http://localhost:8000/Desktop/vivliostyle_test/testepubfolder/test/OEBPS/content.opf. This may be caused by the server not allowing cross-origin resource sharing (CORS).

 

 

 これの解決方法(CORSの許可)を調べまくったのですが、Googleのショートカットをいじったり、CORS解除に使える拡張機能を使ってもダメでした。

 もし同じ症状が発生したらとりあえず別のバージョンで試してみることをおすすめします。

 

 なお、VivliostyleViewerはバージョンが違えばファイル名などが違うので、アドレスを作る際はフォルダの中をよくご確認ください。指定するのは「viewer」フォルダ内の「html」ファイルです。

 


.目次を作る。

 これもいろいろ試したんですが、本記事では「画像として作ってしまう」という方法をとることにしました。

 一応言っておくと、「Calibre」上で目次生成設定をした上で「PDF→PDF」出力をしてもうまくいきません。なぜか生成されません。レイアウト崩れでもいいなら生成される設定パターンもあります。が、それでも生成されるのは「横読み」の目次ですw 縦読み本なら、縦読みの目次じゃなきゃダメだと思います。

 

2−1.ページ番号をメモる。

 地味な作業ですが、コツコツやってください。VivliostyleViewerに表示している小説の目次ページはクリックジャンプ有効です。

 テスト用小説だと各章のページ数は下記の通りです。

 

起を自在に操る存在 2p
”真なる刃”を追い求める承 4p
転・ヴァイゼハイム・ブローヴァ 6p
結・ザ・ファントム 8p
あとがき 9p
奥付 10p

 

2−2.Canvaで目次ページを作る

 Canvaにて、表紙と素材を作った時と同じやり方で目次ページを作りましょう。

 できたら「PDF」でダウンロードしてください。

 

 テスト用小説の目次としてつくったものがこちらです。

 

Canvaでつくったテスト用縦書き小説の目次

 

 難しい作業ではないので作り方は省略しますが、縦書きモードだと2桁の数字の表示に困ると思います。その場合は2桁のところだけ横書きの半角文字で作りましょう。

 

 こうして「ページ番号をつけた状態のテスト用縦書き小説」と「テスト用縦書き小説の目次」のPDFファイルが揃いました。

 

 次はこの2つを組み合わせます。

 


3.PDFを組み合わせて原稿ファイルを完成させる。

 ここではオンライン変換サイトを頼ります。

 


 

 上記サイトにアクセスして、下記2つのPDFを同時にアップロードしてください。

 

 で、元からある目次ファイルを削除して、Canvaで作ったページ番号付き目次を、巻頭に移動させてください。

 そしてファイルを生成してダウンロードしてください。

 

 これでやっと原稿ファイルが出来上がりました!

 この手順でつくった完成版原稿ファイルがこちらになります。

 

完成版テスト用小説PDFファイル

 

 これでKDPのペーパーバックにアップロードできますが、まだ1つやることが残っています。裏表紙と背表紙付きの表紙データーを用意する必要があるのです。

 

 でもとりあえずKDPのペーパーバック作成画面に進んでください。そこで表紙に必要な画像サイズを確認するのです。

 

補足

  • PDFファイルの結合、削除、入れ替えができれば方法はなんでもいいです。

 


4.表紙を作成する。

 KDPのペーパーバック作成画面を進め、2つ目の「ペーパーバックのコンテンツ」まで進んでください。

 

1.「ISBN」を取得する。

 この後でプレイビュー機能を利用するにはここでISBN設定をする必要があります。KDP発行のISBNでよければ「無料のKDPISBN」を利用してください。自分で用意する場合は用意できるまでここで一旦ストップです。

 

補足

  • ISBN設定をするとこのペーパーバックのデーターが本棚から削除できなくなります。削除できなくなるだけで、完成まで作らなきゃいけないとかそういうわけではないですが、そのつもりで進めてください。

 

2.印刷オプションは下記の設定にしてください。(テスト用です)

  • インクと用紙のタイプ:本文(白黒)用紙(白)
  • 判型:128 × 182.1 mm (5.04 × 7.17 インチ)
  • 裁ち落とし設定:裁ち落とし無し
  • ペーパーバックの表紙仕上げ:光沢無し
  • ページを読む方向:右から左(縦書き)

 

3.ペーパーバックの原稿をアップロードする

 ペーパーバックの原稿(fix_shisonoonigari.pdf)をアップロードしてください。

 

 はい、エラーがでましたね? そうです。最低24ページ必要なんです。色々作る前に知ることができてよかったですね!

 

 では、さっきつくった「完成版テスト用小説PDFファイル」をPDF結合サービスを利用して10回くっつけたファイルを用意したので、こちらを使ってアップロードしてください。100ページあります。

 

4.ペーパーバックの原稿をアップロードする

 次に、表紙ファイルをPDFならなんでもいいのでアップロードしてください。(表紙もPDFのみです。さっきの目次でもいいです)

 

5.プレイビューアーを起動し、ページ数を確認する

 やっとことここまでこれました。プレイビューアーを起動したら、最下部の「ページ範囲」の右側をみてください。ページ数が表示されていますね。テスト用小説なら「100ページ」と出ているはずです。

 

.「KDP表紙計算ツール」で表紙の型画像を取得する

 「KDP 表紙計算ツール」にアクセスして、2の印刷オプションの情報と、ページ数を入力して、「サイズの計算」をした後、「テンプレートのダウンロード」をしてください。

 そしてテンプレのZIPファイルを解凍し、中に入っている「PAPERBACK_5.039x7.165_100_BW_WHITE_RIGHT_TO_LEFT_ja_JP.png」を開いて、「全体の寸法」を確認してください。テスト小説を使っているなら、「268.07 × 188.35」のはずです。

 

 

.Canvaで表紙を作成する。

 

 いよいよっ表紙の制作です。下記の解説サイトを参考にします。

 

 Canvaにアクセスして、カスタムサイズにさっき取得した寸法を入力します。

 デザイン画面が開いたら、さっきの型画像をアップロードして、台紙に貼り付けて大きさを合わせます。

 白いエリアが「表紙」「背表紙」「裏表紙」の位置に対応しています。好きなようにデザインしてみましょう。素材の配置が終わったら型画像を最後に消す、という流れになるかと思います。

 

 

 できたら「PDF」でダウンロードしてください。

 

 今回テスト用に作ったものがこちらです。

 

.「ペーパーバックのコンテンツ」内で完成版表紙をアップロードする。

 改めて、KDPの「ペーパーバックのコンテンツ」で完成版表紙をアップロードし直してください。

 


5.プレイビューにて完成状態を確認する

 

 いよいよここまできました! あとやることは1つです。

 プレイビューを起動して、完成状態をチェックします。

 

 1つだけやることがあります。プレイビューを開いたら、エラーが出ていると思います。左側に「ファイルを本の判型に合わせて拡大縮小します。」という場所があるので、そこをクリックしてください。そうすると自動的に調整されます。

 

 内容を確認して問題なければ「承認」をクリックしてください。

 この時点で「校正刷り」が依頼できるようになっています。見本のことです。出版する前に必ず見本を確認しましょう。「ペーパーバックの価格設定」のページか、本棚上にある本データーのメニューボタンから依頼できます。

 

 本の制作としての作業はここまでです。

 

 お疲れ様でした!

 



Calibreを使ったペーパーバック用横書きPDFの作り方(横読み本)


 

 最初につくった縦書きEPUBのテスト小説(shisonoonigari.epub)を利用して、Calibreを使ったペーパーバック用横書きPDFの作り方を解説します。

 

 まず準備としてこれを横読みに戻します。コードのいじくり方はもうわかっていると思うので、説明は巻いていきますよ。

 

  1. 「Style0001.css」の「html {-EPUB-writing-mode:vertical-rl;}」を削除する。
  2. 「Style0001.css」の「margin-right: 1em;」を「margin-top: 1em;」に書き換える。
  3. 「content.opf」の<spine page-progression-direction="rtl">を<spine>に戻す。
  4. 横読みに戻っていることを確認する。

 

横読みに戻したテスト用小説

 

 では説明を始めます。

 

  1. メニュー画面から「shisonoonigari_yoko.epub」をCalibreに追加する。(本を追加)
  2. タイトル上で右クリック「書籍編集」と進み、「Style0002.css」内の画像の拡大率指定を「width: 90%;」「height: 90%;」と書き換えて「保存」する。(今回は確認用の設定として)
  3. メニュー画面に戻り、タイトル上で右クリック「本を変換→本を個別に変換」と操作する。
  4. 設定画面右上、出力フォーマットを「PDF」にして、「PDF出力」タブを開く。
  5. 「すべてのページの下にページ番号を追加」にチェックを入れる。
  6. 「末尾に印刷可能な目次を追加」にチェックを入れる。
  7. 「変換するドキュメントのページマージンを使用」にチェックを入れて、上下左右を「30.0pt」にする。
  8. 「OK」して、変換終了を待つ。
  9. メニュー画面の右側の「所持フォーマット」から生成されたPDFを開く。
  10. 1ページ目に謎の目次ページがあること(表紙として勝手に生成される)。ページ下部にページ番号がついていること。奥付が10ページ目であること。11ページ目にEPUBデータの目次ページがあること。12ページ目にページ番号付きの目次ページがあること、を確認する。
  11. もう一度「3.」の「PDF出力」タブ画面を開く。
  12. 「4〜6」と同じ設定をした上で、「ページ番号マップ」に「if (n > 10) n - 11; else n + 1;」と入力して、「OK」する。
  13. 生成されたPDFを開く。本編が2ページ目から始まっていること、奥付が11ページ目になっていること、EPUBデータの目次ページが0ページになっていること、最後のページ番号付き目次ページが「1ページ」目になっていること、を確認する。
  14. PDFを保存する。
  15. PDF編集ツールなどを用いて、巻頭とEPUBの目次ページを消し、巻末のページ番号付き目次ページを巻頭に移動させて、PDFを生成する。

 

 「手順13」で出来上がったものがこちらです。   

 

 手順11で入力したjavascriptの式「if (n > 10) n - 11; else n + 1;」の内容を説明します。

 

 これは・・・

  • (n > 10)  → 元のページ番号(n)から10ページ目まではそのまま表示しろ
  • n - 11 → それ以降のページは元の値から11引いた値にしろ
  • else n + 1 → 元のページ番号は1足した数値として扱え

 

 という意味です(おそらく)

 

 だから、(勝手に生成された巻頭の表紙は無視して)本文のページ番号が2ページ目から始まっていて、奥付の後のページは本来の11ページ目と12ページ目から、11が引かれた値(0、1)になっている、というわけです。

 

 この式を参考にして、ご自身で制作される本のページ数に合わせて数値を変えてください。

 

 テスト用小説の場合、手順11は下記のようになっていればいいです。

 

補足

  • 「手順2」で画像の拡大率を小さくしたのは、テスト用小説の場合、100%のままだと画像がはみ出して2ページ分使ってしまうからです。こちらは実際に制作されるご自身の画像のサイズに合わせてCSSや元の画像サイズいじってください。
  • 縦読みEPUB本を同様の手順でCalibreでPDF化すると、下記画像のように、ページの端でテキストや画像が途切れてしまう現象が発生します。お時間に余裕のある方は一度試してみてください。

 

 

 



実際に作ってみた(校正刷り)


 

 実際にペーパーバック印刷の校正刷りを依頼したことがあるので、実物の写真をお見せします。こちらは上でお話ししたCalibreで横書き本をPDF化(EPUB→PDF)するやり方で制作したものです。

 

 印刷オプションは下記の通り。前回の解説と同じです。

 

インクと用紙のタイプ:本文(白黒)用紙(白)
判型:128 × 182.1 mm (5.04 × 7.17 インチ)
裁ち落とし設定:裁ち落とし無し
ペーパーバックの表紙仕上げ:光沢無し
ページを読む方向:左から右(横書き)

 

 表紙。みたまんま。手触りはさらさらしています。

 

 

 裏表紙。

 

 

 背表紙。薄い本なのでエリアが狭い。

 

 

 ちょっと右にずれています。アップロードした表紙画像を確認しましたが真ん中でした。偶発的なズレなのか、どこかの設定が悪いのかはわかりません。背表紙はそれなりのスペースが欲しいところです。

 

 表紙めくったところ。表紙の裏側には特に印刷無し。

 

 第1章のところ。マージンは「20.0pt」だったか、「30.0pt」にしたか、どっちか忘れちゃいました。(すみません)

 

 挿絵の説明画像のところ。右ページは単ページの画像でサイズは「1600 × 2560」です。

 

 最後のページ。落丁云々のページはアマが勝手につけました。

 

 こんな感じです。結構出来が良かったのでびっくりしました。

 

 


Kindle本を作る前に


 

 ここまで解説の通りにやった方も、そうでない方も、やることが多くて大変ということがわかったと思います。Amazonが縦書きも横書きもEPUB出力もPDF出力もできる日本語用の執筆アプリケーションをリリースしてくれればいいんですが、残念ながら2022年4月現在、まだそういう便利なものはありません。(日本語非対応なら公式から執筆ツール出ていますが機能の良し悪しは不明→KindleCreate

 

 本記事で紹介したやり方も一番いいやり方だとは決して言えません。最後のプレイビューでファイルを本の判型に合わせて自動調整させますが、そもそもピッタリサイズで作りたいですよね。私はそのやり方を知りません(すみません)。

 

 Sigilでの整形に関して言えば、SigilでKindle本制作をしている人は多いので、困ったことになってもトラブルシューティングは充実していると言えます。

 

 ただし本記事で解説したやり方だと、膨大なページ数のある本だと大変です。CSSの知識がある人はGoogleドキュメントからダウンロードする段階で「txt」ではなく「EPUB」でダウンロードすることもご検討ください。

 

 ただそのやり方だと、Sigilに読み込ませた時点でタグやCSSが設定されているのですが、無駄なタグやCSSが大量に設定されている状態なので、その整形で時間を取られることになるでしょう。(だから「txt」で読み込み、誤字脱字をチェックしながら整形するのが無難だと思います)

 

 PDF化のやり方に関しても、参考にしたサイトの主さんは業者の方なので他に比べたらまともなやり方だと思います。が、やってみるとわかりますがこれでもEPUBと完璧に同じものが生成できるわけではないので、これも今後開拓していく必要があると思います。

 

 本記事では文字へのルビの振り方や画像の位置調整など、CSSの細かい説明まではしていません。装飾1つを取ってもいろんなやり方があり、私がエキスパートではないので説明できないのです。私もCSSをいじるたびに、ググりながらじゃないとできない程度のスキルしかありません(すみません)。フォントの著作権には特に注意してください。

 

 VivliostyleViewerを使うところもCSS知識があれば色々変えることができますが、本記事では説明を省いています。ご自身の本の都合に合わせて変えてください。

 

 本記事を作成しながらつくづく思ったのですが、まず最初にいろんな形式に変換できる元の原稿データが多くを左右するのは間違いないです。調べたところ「青空文庫形式」が変換する際に万能で便利らしいですが、私が知らないので本記事では解説できません(すみません)。少なくともGoogleドキュメントはベストアンサーとは言えないです。(スマホのアプリからも編集できるのでかなり便利ですが)

 

 あとKindle本では違和感がなくても、ペーパーバックのような紙媒体だと気になるところもあります。例えば扉絵やあそびのページの有無です。これものちにペーパーバック化することを想定していれば、Kindle本を制作する段階で準備ができました。KIndle本を制作する際はまず「本 各部名称」などで調べ、紙媒体本なら普通あるページを一応確認してから制作した方がいいでしょう。

 

 このように、Kindle本を作るのと、ペーパーバックを作るのとでは、作業の内容が大きく異なることを頭に入れた上で制作することを推奨します。

 

 Kindle本制作のことで質問などあればお気軽にコメントしてください。私も詳しくなりたいので、できるだけ力になりますよ。

 

余談

 テスト用小説は「桃太郎」と「くぅ疲」をノムリッシュ翻訳した内容ですw