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ブログ開始日 2021年12月31日

当ブログの考察は当事者の体験に基づく内容です。ご了承の上でお読みください。

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言壁の棺 — 発達障害考察ブログ

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昔話49:中学生の時、自分一人だけ大声で「ハイ!」と叫びながら挙手していた話



 中学生になったばかりの頃。私は授業中、いつも頑張って手を挙げていた。「頑張って手を挙げる」とは大きな声で「ハイ!」と言いながらビシッと挙手をすることである。

 そんな風に挙手しているのは私だけだった。

   ◇ ◇

 中学生になった私は真面目な生徒になろうと思い、とにかくなんでも真面目を意識した。その挙手もその一環だったわけだが、「大きなハイ」と「挙手」自体は小学生の頃からやっていたことだ。

 私の通っていた小学校では授業中、「ハイ! ハイ!」と元気よく挙手することが日常の光景だった。手を挙げない生徒もいたが、私は手を挙げる方だった。低学年の頃は席を立って、先生の側で飛び跳ねながら手を挙げたもんだ。

   ◇ ◇

 だから中学生でも授業中に挙手する行為になんら抵抗はなかった。ただその姿勢が真面目になったというだけだ。「はいはーい!」と子役が明るく手を挙げてる感じじゃなくて、大日本帝国陸軍の軍人が「覇威!」って叫びながら挙手するイメージ。見たことないけど。

   ◇ ◇

 通常授業が始まって2週間くらい経った頃だと思う。私はいつものように「覇威!」をしていたのだが、とある授業中の半ば、誰かが言った。「うるせぇなぁ……」と。小声だったが、確かに聞こえた。

 その言葉が耳に入った直後は「なんのことだ?」と思ったが、すぐに私の脳に答えがインストールされた。そのデータは言葉ではなくイメージだったが、「挙手しているのは自分だけ。そんな大声でみんな手を挙げていない」という周りとの違いを私に突きつけるものだった。

   ◇ ◇

 私は自分が「失敗した」と思った。その失敗の規模も性質も影響もわからないままだったが、とにかくもう授業中に挙手はやめようと思った。

 先生は私に何も言わなかったけど、言ってほしかった。