中学生になった日、だったと思う。翌日だったかもしれないが、当日だったということにして話を進める。
入学式当日のもろもろが終わって帰宅した後の夜。翌日から授業が始まるので、時間割表を片手に教科書類の準備を始めた。
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しかしできなかった。時間割表の内容が理解できなかったのだ。同じ教科の授業が2時間連続しているところが複数あり、自分が正しく見れていないことはわかった。なんでわからないんだろう? なんで? なんでだ? と、焦りが強まった。
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しばらく時間割表と睨めっこをしてるうちに原因がわかった。時間割表の行と列の並び方が小学校の時と違って逆になっていたのだ。
だったら見方も逆にすればいい。そう、理屈では分かっていたが、結局その日は時間割表通りに用意することができなかった。どれだけ表を見ても、明日の曜日の列と行に焦点を合わせることができなかったのだ。
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それでも用意しなければならない。悩んだ挙句、私は全教科?全道具を持っていくことにした。カバンの中に詰め込めるだけ教科書を詰め込み、別に手さげ袋を用意して、習字や絵の具セットなどを詰め込んだ。両手両肩が一杯になった。
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翌日、本当に全部持って学校へ登校した。中学校が家から徒歩5分のところにあってよかったと思った。
その僅かな間にもいろんな人にジロジロ見られて笑われた。時間割表が理解できないことが情けなくて泣けてきた。
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その日の帰宅後、もう一度時間割表を見たら何の労もなく理解できた。昨晩のあの混乱はなんだったのか、この時はまさか障害特徴だなんて知る由もなかった。