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ブログ開始日 2021年12月31日

当ブログの考察は当事者の体験に基づく内容です。ご了承の上でお読みください。

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はじめに/目次

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言壁の棺 — 発達障害考察ブログ

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昔話3:中学校に入学してすぐに別のクラスの女子に嫌われた話

 中学生になってすぐ、翌週だったか、まだ入学式の余韻が残る中、休み時間中に廊下にいたら、前から歩いてきた女子にいきなりこう言われた。

「さぃってい!」

 アクセントの効いた強い言い方だった。

 最低、と言われたことはわかった。

 表情は氷のように冷たかった。

 女子は踵を返して去っていった。自分のクラスに戻ったんだと思う。

 その女子のことを私は知っていた。保育園の頃に一緒だったA子ちゃんだ。つい先日廊下で雑談をしたばかりなのに、いきなりそんな言葉をぶつけられた理由が、その時はわからなかった。

   ◇ ◇

 入学式の翌日だったと思う。同じ小学校から入学した友達と喋っていたら、見知らぬ女子がいじわるそうな笑みを浮かべて話しかけてきた。その子は私が保育園だった時の写真を持っていた。お遊戯会の時の、変な衣装を着ていた時の恥ずかしい写真だ。

 女子は私を指して「これ〇〇くんやろ?」と言った。その通りだった。

(え? なんで知ってるの? なんでそんな写真持ってるの?)

 その疑問が浮かんだと同時にわかった。

 あぁ! きみはA子ちゃんだ。

 懐かしい気分になって、その場で少し雑談をしたと思う。

   ◇ ◇

 その日の放課後だったと思うが、友達の家に寄ってゲームをしながら新たに通うことになった中学校について雑談をした。そして休み時間に話しかけてきた女子の話題になった。

 その子は保育園の頃に一緒だったA子ちゃんで、よく喋っていたよ、保育園までの道中にA子ちゃんと同じ名前の美容院があってね、そこがA子ちゃんの家だと勘違いしていたよ、お昼寝の時間に布団の中でチュウをしたこともあったっけなぁ、なんて昔話をした。

 

 A子ちゃんは綺麗でかわいい子になっていた。そんな子と昔知り合いだったという点でちょっと自慢したかったというのが本音である。

 と言っても、別にその話だけで盛り上がったわけでもない。何組に誰々がいたとか、何組の〇〇って子がかわいかったとか、私の昔話はそんな談話の1コマに過ぎなかった。

 翌日にはそんな話をしたことすら忘れていた。

 そして冒頭に繋がる。

   ◇ ◇

 この時の昔話が原因だったと知ったのは中学3年生になってからだった。あの談話の場にいた一人が、私から聞いた昔話をA子ちゃんに直接言ったのだという。その衝撃の事実は「A子と喋ったことあるよ、キスした話聞いたし」とかそんな軽いノリで耳に入ってきた。

 あの談話の後、休み時間に廊下でA子と会った時になんとなく雑談をしたらしい。で、私と同じ保育園だったことが話題になって、その流れで私から聞いた話をあろうことか雑談のネタにしたというのだ。

 正直「なんてことしてくれたんだ」と思った。「おまっ、なんで……」くらいの反応はしたと思うが、あまりにショックで言葉がでなかった。

 その頃の私は中2の頃のいじめ体験を通して自分の異常性を自覚していて、言動に注意を払っていた。昔話をしたあの頃はまだ自覚のきっかけとなるいじめ状況に陥る前、そういう心構えを全く意識していなかった。自重さえできていれば、そもそもチュウの部分は話題に出さなかったと思うし、もし盛り上がった空気に釣られて話したとしても「お前らこれ本人に絶対言うなよw」くらいの保険はかけたと思う。

   ◇ ◇

 自分の言動のせいで嫌われていることを自覚した時、私に対する周囲の当たり方は私の普段の様子がトリガーになっていることを理解した。これは当時の自分にとっては衝撃的な気づきだった。人から嫌われることをする、そのせいで周りから嫌われる。逆に、周りから嫌われている状況をみて、人から嫌われる言動をしている可能性を疑うこともできる。そういう発想が持てるようになったのだ。それができなかった頃は、ただただ周囲の人間を悪人とみなしていた。

  ◇ ◇

 この出来事も過去と未来の関係性を私に教えてくれた。やはり自分の気づきは間違っていなかったと、再確認することができた。

 A子ちゃんとの関係はその後も回復しなかったが、その悲しい気持ちはそれからの人生の中で活かすことにした。

 

 それからまた数年後に、ふと何の気なしに思い出した。

 お昼寝の時間にチュウをした相手は、A子ちゃんではなかったことを。